われわれの行っている耳介ピアスケロイドの治療

摘要

耳介ピアスケロイドは，他のケロイドと比較すると治療効果が高く，再発が少ない。耳垂で懸垂型のピアス後ケロイドは楔状に切除して，耳垂縁の部位に小Z形成を追加する。耳垂前?後面に分かれているものは，円柱状にケロイド全体を切除する。小さなものでは単純に縫合する。大きなものでは，残存する耳垂縁に斜切開を加えて，耳垂縁を2つの皮弁とする。それ ぞれの皮弁の先端を，前面と後面に巻き込むように移動して縫合する。耳輪部に存在する単一の ものについては，ケロイドを楔状に切除し単純縫合して，耳輪縁では小Z形成を加える。耳介の 前?後面に分かれて存在するものでは，ケロイドのみを切除し，残存する耳輪皮膚に切開を加え る。耳輪縁に2つの皮弁ができ，それぞれを前面と後面に移動して縫合する。術後はトラニラスト内服とテープ固定を行う。再発傾向のある場合には，ステロイド局注と圧 迫療法を行っている。