ヒアルロン酸の顔面自己注入後遺症の1例

摘要

緒言·目的：ヒアルロン酸をインターネットで購入後自己注入し，遷延性の顔面腫脹を主訴に当科美容後遺症外来を受診した症例を報告する。症例：症例は36歳女性で10か月前に自己多血小板血漿注入療法（PRP療法）の顔面皮下注入の既往がある。PRP療法1か月後にインターネットで購入したヒアルロン酸を無麻酔で両側鼻唇溝に自己注入したところ，施術後に顔面全体の腫脹が出現した。施術後経過をみていたが両頬部の腫脹が遷延したため当科紹介受診となった。考察·結論：Googleを用いて"ヒアルロン酸　自己注入"で検索したところ59,400件の関連サイトを認めた（08．10．26現在）。これらのサイトから一般の方がヒアルロン酸，注射器，針をインターネットで簡単に購入し，プログや掲示板に公開されている施術方法で自己注入を毎週（日）のように繰り返している実態が明らかになった。また違法販売が疑われる業者，医療機関の存在も確認された。政府，学会として早急な対策が必要と考え報告する。