アカシアポリフエノール含有食品の安全性：健常男性成人における安全性評価試験

摘要

アカシアポリフエノール標品（AP）は，アカシア属の1樹種であるモリシマアカシア（Acacia mearnsii）の樹皮から得られる熱水抽出物である.このAPの主成分は，ポリフエノールの1種であるカテキンや口ビネチドールのようなフラバン-3-オールを基本骨格とする単体，二量体，三量体およびそれらがさらに縮合されたポリマーからなる広い分子量分布をもつ化合物の混合物であり（Roux et al., 1960; Botha et al., 1978; 1979）, APの約80% （重量） を占めている（Zheng et al., 1988; Yazaki et al., 1990）. これまで種々の植物または果物に由来するフラバン-3-オール系化合物の健康保持に役立つ効果が調べられ，抗酸化作用，抗発癌作用，心疾患予防作用， 抗菌作用，抗ウィルス作用，神経保護作用などをもつこと（Aron et al., 2008）,さらに抗肥満作用（Murase et al 2002; Ohta et al 2006; Akase et al., 2009）,抗糖尿病作用（Ruzaidi et al., 2005）,高血糖抑制作用や高血圧抑制作用（Akase et al., 2009）および抗アレルギー作用（Enomoto et al., 2006）も含めて数多くの有用な薬理作用を示すことが報告されている.