PCクラスタを用いた大規模トラヒックデータ管理システムの実用化

摘要

NE(Network Element)から定期的に収集するトラヒック·データ(TD：Traffic Data)は，ネットワーク設備の最適化や無線エリアの通信品質の改善において，必要不可欠なデータとなっている．NEからTDを収集し，データベースに登録するシステムをTMS (Traffic data Management System)と呼hでいる．このTDは，総データ量が約36Tbyteにも及ぶ．本稿では，分散データ駆動型アーキテクチャ(D3A: Distributed Data Driven Architecture)を用いて実用化した大規模TMSについて議論する．ここでは，D3Aを用いて，TDを保持する大規模並列データベース·システムを構築する方法を示す．また，本システムにおいて，レガシーな静的負荷均衡化方式とDNSによるNE名解決方式を用いて，ディスク非共有型大規模PCクラスタ（約360台のPE）を実現する方法を示すと共に，そのデータ可用性とシステム可用性を実現する方法を示す．さらに，実用化したTMSの性能評価を行い，各PE負荷が設計通りに均衡化されていることを示す．