品質劣化フローの重なり度に着目した品質劣化箇所推定の改良の一検討

摘要

近年，リアルタイムで提供されるサービスが重要になり，障害などによる品質劣化への迅速な対処が必要になってきている．そこで，ネットワークを流れるフローの品質を測定し，品質劣化発生時に劣化箇所を推定する技術について研究が行われている．我々は，ネットワーク事業者が個々にこのような技術を導入，運用する上で，他の事業者へのトラフィック負荷を極力避ける，あるいはお互いの協調を考慮した場合に，1）ネットワーク上に設けた監視点において通信の品質をパッシブに監現し，2）観測された複数の通信から迅速に品質劣化区間の絞込み，3）絞り込hだ区間内でアクティブ方式による品質劣化箇所を特定することで品質劣化問題に対処するのが良いと考える．本稿では上記3つの処理のうち，パッシブに観測された複数の通信から迅速に品質劣化区間を絞込む方式について議論し，既存方式の1つである最小リンク数推定方式をもとに新たな手法を検討した．提案方式では，ネットワーク事業者単位のような小規模なネットワヤク毎に監視点を設け，その監視点に接続する各リンクでの品質劣化フローの重なり度から推定処理を分散·並行処理するこノとによりネットワーク全域での推定処理を削減することをめざす．