天然資源緑茶カチキンからの医薬品の創製方法について

摘要

緑茶は古くから日本人に愛飲されており、現在、健康志向の高まりとともにその需要が著しく伸びてきている。 緑茶には、ポリフェノールの一種である(＋)- catechin (C)、(-)-epicatechin (EC)、(-)-epicatechin gallate (ECG)、(-)-epigallocatechin (EGC)、(-)- epigallocatechin gallate (EGCG)などのカテキン類が多く含まれている。 カテキン類は、抗酸化、がh予防、抗菌、生活習慣病予防作用など、有用な活性を示すことが報告されている。最近、(-)-EGCGががh細胞の増殖に関わる血管新生や、テロメラーゼ活性を阻害すること、また、転移時に関与するウロキナーゼを阻害すること、などが報告され、試験管レベルではあるが、がh予防作用に関してその多様な機序の存在が知られることとなった。 筆者がカテキン類に興味を持ち、研究に着手するきっかけになったのは、これらが動脈硬化症進展に深い関わりをもつマクロファージの泡沫化を強く抑制し、主成分である(-)-EGCG のin vitro試験におけるその阻害強度は動脈硬化治療薬プロブコールの約1000倍にも達することを知ったからである。