EUS下胃空腸バイパス術（EPASS）—開発の歴史と手技の実際—

摘要

超音波内視鏡（endoscopic ultrasonography ： EUS） は，消化管を介して周囲の臓器へのアプローチを可能 にする優れたモダリティである。当初EUSは病理学的 な吸引生検を目的に開発されたが,ほどなくして膵仮 性囊胞ドレナージ治療へとその可能性を広げ，今日の 治療的超音波内視鏡，いわゆるinterventional EUS （iEUS）の発展につながつている。近年のiEUSの進歩は著しく，従来の膵仮性囊胞ドレ ナージに加えて，EUS下胆管，胆嚢ドレナージも新たな るドレナージ法として世界で普及しており，最新の急性 胆道炎の診療ガイドラインでも取り上げられている。 またより安全で確実なiEUS手技のための専用のステン 卜も開発されており，その有用性も報告されている。 さらに最近では，EUSガイド下に消化管?消化管吻合 を行う新たな試みも行われている。