膵石症に対する内視鏡的治療 - 内視鏡的膵管バルーン拡張術(EPDBD I Endoscopic Pancreatic Duct Balloon Dilation)の意義について-

摘要

ESWL+内視鏡治療は膵石症治療の第一選択として定着し,高い除痛率を中心に良好な成績が報告されている。この12年間に当院で経験した膝石症は118例で,その内の114例に内科的治療(ESWI」 and/or内視鏡治療)を行い,その排石率は75%,除痛率は97%と諸家の報告と同様良好であった.一方,結石再発に関しては30-40%と高い諸家の報告が散見され,その原因として狭窄膵管の存在が指摘されている。 私たちはこの膵管狭窄を解除し結石再発を防止する方策として, 1996年より内視鏡的膵管バルーン拡張術(EPDBD : Endoscopic Pancreatic Duct Balloon Dilation)を行っている。 自験内科的治療例114例中70例に本法を行った結果,結石再発は9例(10.5%)と諸家の報告に比べ良好であった。ESWLに内視鏡的膵管バルーン拡張術(EPDIiD)等を併用した膵石症に対する内科的治療は,結石再発を低下させ良好な治療効果·予後をもたらす。