MDCTによる滕臓の画像診断 一造影剤動注下MDCTによるインスリノ一 マの検出と3D画 像；選択的動脈内カルシウム注入試験(SAVS)との併用一

摘要

インスリノ一マは一般的に多血性の腫瘍であるが病変が小さいことが多く局在診断に苦慮することが少なくない。インスリノーマを検出する目的で造影剤動注下でのMDCT (MDCT-IA)と3D画像を作成し有用性について検討した。さらに経静脈性MDCT (MDCT-IV),選択的動脈内カルシウム注入試験(SAVS),術後の組織所見と対比した。組織診断が確 定した6症例中5症例でMDCT-IV， MDCT-IA, SAVSでの病変の局在診断が一致した。 乏血性のィンスリノーマの1例ではSAVSのみ局在診断が可能であった。腫瘍-腾実質の最大 濃度差はMDCT-IVと比較しMDCT-IAにおいて有意に高値を示した。3D画像は病変と脬 周囲血管を同時に描出することが可能で位置関係の把握や栄養血管の同定に有用であった。 MDCT-IAと3D画像はSAVSと併用することにより病変の正確な局在診断に役立つものと 考えられた。