網羅的がh遺伝子解析による膵癌個別化治療の現状と展望

摘要

がh遺伝子バネル検査の臨床実装に伴い，膵癌に対するプレシジョンメディシンが注目されている。現時点では膵癌においてクリニカルシークェンスの結果から得られる治療関連情報としては/KRAS G12C変異，KRAS野生型膵癌におけるdruggable遺伝子異常，DNA修復関連遺伝子異常，がh免疫療法関連バイオマーカー，主要4遺伝子KRAS，TP53, CDKN2A，SMAD4)における変異遺伝子数，などいくつかの治療標的および予後予測に関する情報に限定されるが，今後集積される遺伝子関連情報から膵癌治療開発につながる新たな知見が解明される可能性も大いに期待できる。膵癌に対するプレシジョンメディシンはいまだ開発途上にあり，その有用性についてはさらなる検証が必要であるが，今後の治療開発において極めて有望な治療戦略となることが期待される。