FreeStyleリブレによる持続血糖モニター(continuous glucose monitoring ： CGM)と 推定HbAlcにより耐術可能と判断した2型糖尿病の1例

摘要

糖尿病治療における血糖コントロールの指標としてHbAlcと血糖値が重要なことは言 うまでもないが，近年，血糖変動を知るためのデバイスとして持続血糖モニター（continuous glucose monitoring ： CGM)機器が登場し臨床現場で広く利用されている。我々 は今回，最新のCGMであるFreeStyleリブレを用い速やかな血糖改善を認めた症例を 経験した。症例は罹患歴8年の2型糖尿病を有する46歳男性。入院時のHbAlcは16.8%で入院当 初は空腹時，食後ともに著明な高血糖を認めていたが，インスリン強化療法ののち最 終的にはインスリンデダルデク6単位/日，リラグルチド0.9mg/日，メトホルミン 1000 mg/日，カナグリフ口ジン100 mg/日を使用し夜間低血糖もなく血糖変動は平坦化 した。また，FreeStyleリブレが算出した推定HbAlcは6.2%と非常に良好であり，採血 HbAlcの改善よりも早いタイミングで白内障手術が可能となった。各個人の病態に即し，その問題点をピンボイントで解決しょうとするprecision medicine (精密医療）の重要性が提唱されている。糖尿病治療の分野においても，CGMを用いて 個々の血糖変動の最適化を図るprecision medicineが，新しい機器の登場によりますま す身近なものとなりつつある。