同種造血幹細胞移植における移植前処置として fludarabineと併用するDusulianおよひ melphalanの口腔粘膜炎に及ぼす影響

摘要

同種造血幹細胞移植では，移植前処置の大量化学療法 や全身放射線照射の影響で口腔粘膜炎を認めることが多 い。口腔粘膜炎の初期症状としては，類粘膜や舌? 口蓋 に紅斑や浮腫?糜爛，軽度の疼痛がある。重症化すると 潰瘍を形成し，また出血を伴う場合があり，持続する顕 著な疼痛により会話や摂食，嚥下が困難となり，著しい QOLの低下を認める。近年，移植医療においてはチー ム医療の一環として，歯科が口腔ケアに介入することに よって，口腔粘膜障害の発症数の減少や重症度の低 下が報告されている。今回，我々は同種造血幹細胞移植患者に対して一定の 口腔ケアを行うという条件下で，fludarabine (FLU)と 併用するbusulfan (BU)とmelphalan (MEL)の口腔 粘膜炎に及ぼす影響を後方視的に検討した。