本邦において推奨される至適ベンダムスチン治療

摘要

ベンダムスチン塩酸塩（以下，ベンダムスチン）は，1960年代に旧東ドィッ（German Democratic Republic)で開発された薬剤である。東ドイツでは，ベンダムスチ ンは悪性リンパ腫，慢性リンパ性白血病，多発性骨髄腫 等の造血器腫瘍の他，乳がhや小細胞肺がhなどに対し て用いられていたが，同国での限定的な薬剤であり，世 界的には知られていなかつた。1990年に東西ドィッが 統合され，2005年に現代の規準の臨床試験で再評価さ れ，統合ドイツでは初発進行期低悪性度B細胞リンパ 腫および初発の多発性骨髄腫に対して承認された。その 後，欧米各国でも造血器腫瘍に対するベンダムスチンの 臨床試験が実施され，承認された。本邦でも再発?治療 抵抗性の低悪性度B細胞リンパ腫，マントル細胞リン パ腫に対するベンダムスチンの第I相，第II相試験が， ドイツ，米国で行われた第11相試験に基づいて設定さ れた用法?用量で実施され，日本人患者に対する忍容性および有効性が確認された。