慢性骨髄性白血病に対するTKIによる治療の現状と展望

摘要

慢性期（chronic phase: CP)の慢性骨髄性白血病(chronic myelogenous leukemia: CML)ではABL1チ口シンキナーゼ阻害薬（tyrosine kinase inhibitor: TKI)であるイマチニブが画期的な成績を示し，8年の長期観察においても治療効果は維持され，さらに分子遺伝学的効果の改善傾向も続いている。しかし一方では45%の症例においてイマチニブ治療は中止され，うち約20%は効果不十分または有害事象によるものである。第2世代TKI ニロチニブ，ダサチニブの2剤はイマチニブ耐性。不耐容CMLに対し2009年に認可された。さらに両剤とも初発CMLに対しイマチニブとの比較試験によりィマチ二ブを上まわる成績が示され，初発CMLに対して適応が拡大された。さらに現在第3世代TKIも開発中である。本稿ではィマチニブ，ニロチニブ，ダサチニブを中心に述べる。