NK/T細胞リンパ腫の新しい治療

摘要

NK/T細胞リンパ腫は，正式にはWHO分類第4版(2008)において節外性NK/T細胞リンパ腫，鼻型（ex-tranodal NK/T-cell lymphoma, nasal type; ENKL)と呼ばれる。東アジア諸国および中南米に多い疾患であり，' 全悪性リンパ腫に対するENKLの相対頻度は東アジアで3-10%であるのに対し，欧米諸国では1%未満である。2000年以降，多数例での後方視的解析および多施設共同前向き臨床試験により，有効な治療法の開発が積極的に行われている疾患である。本稿では，始めにENKLの総論を述べたあと，鼻咽頭原発限局期と進行期-再発·難治例とに分けて新規治療法に関するェビデンスの総括と日常診療での実施注意点について解説する。