I期非小細胞肺癌に対する少分割陽子線治療の成績

摘要

【目的】当院でI期非小細胞肺癌に対して実施された少分割陽子線治療の成績を検討する．【対象と方法】対象は2009年1月から2014年9月にかけて治療した50例（52病変）．年齢は54歳から87歳（中央値72.5歳），男性35例，女性15例，IA期44病変，IB期8病変，腺癌23病変，扁平上皮癌6病変，大細胞癌1例，臨床悪性22例であった．陽子線治療は全例2-3門照射の66Gy/10分割で実施した．【結果】観察期間は4.8から60.1か月（中央値21.9か月），1年，3年全生存率，局所制御率，無増悪生存率はそれぞれ100%，89%，97.8%，95.4%，88.1%，75.6%であった．グレード2の肺臓炎，皮膚炎はそれぞれ1例（1.9%），3例（5.8%）であった．15例（28.8%）で照射野内の肋骨骨折を認めた．【結語】I期非小細胞肺癌に対する少分割陽子線治療は有効であり，有害事象も許容範囲内と考えられた．