放射線治療からみた新しいTNM病期分類（UIGC-7)の問題点と課題

摘要

目的.放射線治療からみた新しいTNM病期分類(UICC-7)の問題点と課題について検討した.方法。 新分類においてT因子が腫瘍径別に細分化された.ま た，胸膜播種がT4からMiaに，同一肺葉内結節がT4 からT3に変更された.N因子では，新しいリンパ節マツ プが示された.これら新分類の放射線治療からみた問題 点について検討した.結果.腫瘍径3 cm以下のT1は， 2 cmでTlaとTibに細分化されたが，小型肺癌は放射 線治療の対象となることが少なかったため，今後は定位 放射線治療症例の蓄積と解析が必要である.腫瘍径5 cm で区分されるT2aとT2bは，過去の報告でも放射線治療成績に差がみられており妥当である.また，胸膜播種はMiaに変更されており，もともと根治的放射線治療の 適応ではないことから簡便になった.一方，同一肺葉内 結節がT4からT3に変更されたこと，従来#7と#10 に分けられた気管分岐下リンパ節がすべて#7と定義さ れたことにより，これらの症例の中に根治的放射線治療 の適応とならなレゝ症例が含まれる可能性が出てきた.結 論。UICC-6と比較して，部分的に放射線治療の適応に即 した改訂となったカ气新たにT3やN2症例に根治的放射 線治療の適応外となる症例が存在することに注意が必要 である.