23.胸腔鏡下に摘出した縦隔発生Castleman病の1例

摘要

40歳，女性.人間ドックの胸部X線画像で，右第2弓にシルエットサイン陽性の結節影を指摘された.CTで右心横隔膜角に径27mm大の辺縁整な円形結節影を認め，当科紹介となった.MRIのT1, T2画像で腫瘍は等信号であり，PET/CTでSUVmax4.1の集積を認めた.前の腫瘍性病変を疑い，診断?治療目的に胸腔鏡下腫瘍摘出術を施行した.腫瘍は辺縁平滑で，心膜脂肪と連続していた.割面は黄褐色充実性であった.病理所見はリンパ濾胞内外の血管増生と胚中心への硝子化血管侵入を認め，hyaline vascular type (HV型）のCastleman病であった.HV型では自覚症状や理学的所見に乏しく，血液検査でも異常を認めることは少ない.本例のように検診などで偶然発見されることが多く，画像所見では明瞭な充実性腫瘍として描出されることから，他の縦隔腫瘍との鑑別が重要となる.