SGLT2阻害薬ルセ才グリフ口ジンの 腎機能障害合併2型糖尿病患者に対する 有用性の検討

摘要

腎機能障害合併2型糖尿病患者に対するSGLT2阻害薬ルセオダリつ口ジンの有効性と安全性 を検討した。HbAlcが7%以上，かつルセォグリフロジンが3力月以上投与された134例を対 象とし，加えて早期腎機能障害の指標である尿中レFABP値が8.4"g/g*Cr以上を示す症例を レFABP高値群（n = 21)として解析した。その結果，全例においてHbAlc,体重の平均値はと もに有意な減少が認められ，レFABP高値群においても，HbAlcの有意な減少と，軽度腎機能 障害（60 く eGFRS90 mL/min/1.73 m2)を併せて有する症例においてeGFRの有意な上昇が認 められた。全例での解析で微量アルブミン，顕性アルブミンを呈する症例の約4割でアルブミン ステージが改善，このことはレFABP高値群においても同様であった。また，全例において尿 中レFABP値は有意に減少，L-FABP高値群でも減少傾向が認められ，レFABP高値群21例中 10例（47.6%)で正常値までの改善を示した。以上より，2型糖尿病治療の早期からのルセオダ リフロジン投与は，糸球体?尿細管障害の抑制により腎機能障害の改善をもたらし，腎症発症? 進展の抑制が期待できると考えられた。