循環器内科医による糖尿病治療戦略

摘要

循環器医がよく遭遇する，CAD等に合併する糖尿病症例は，比較的罹病期間も短く血糖値もそれほ ど悪くない症例も多いことから，低血糖リスクを危惧してその介入に躊躇する傾向がみられる。 DPP-4阻害薬やピオグリタゾンは低血糖リスクが低く，かつこれらの薬剤は動脈硬化に対してもさ まざまな作用を発揮し，CAD自体に直接的に好影響をもたらす可能性がある。近年，DPP-4阻害薬 とピオグリタゾンの配合錠が上市されていることも踏まえ，循環器医による積極的な糖尿病治療への 関与の必要性について議論を行った。