高齢者の安全な薬物療法ガイドラインを用いたdeprescribingの実践と患者のQOL及びADLの変化

摘要

高齢者は加齢に伴い複数の疾患に罹患し易くな り，必然的に服用薬剤数の増加を招く.服用薬剤 数の増加は有害事象発現頻度を上昇させるため， 高齢者の処方を適正化して服用薬剤数を削減するこ とは，薬物治療管理上重要な課題である.そのた め，高齢者の多剤併用処方の不適切な薬剤削減を目的とした研究が多数報告されている.一方，日本は諸外国に比べ急速に高齢化が進み，65歳以上 人口の割合は2035年には33.4%となり3人に1人 を上回る.そのため，政府は社会保障費抑制の観 点から，重度の要介護状態となってもできる限り住 み慣れた地域で療養することができるように在宅医療を推進している.