びまh性スリガラス陰影を呈した肺リンパ腫様肉芽腫症の1例

摘要

リンパ腫様肉芽腫症はびまh性大細胞B細胞リンパ腫に進展する可能性を持ったEBウィルス(EBV)陽性B細胞リンパ腫として定義されており，肺病変としては境界不明瞭な多発結節を認めることが多いとされている.症例は71歳，男性で，急性呼吸不全のため近医を受診し両肺底部にスリガラス影を認めたため間質性肺炎と診断され入院となった.ステロイドパルス療法によりスリガラス影は著明な改善を認めたが，ステロイドを漸減する経過と共に多発結節影を認めるようになった.確定診断のための外科的生検の結果，血管中心性に大型異型リンパ球の集簇を認め，その核に一致してEBER(EBV-encodedsmall RNA) 陽性細胞が多数認められた.以上よりリンパ腫様肉芽腫症grade 2との診断に至つたが，本疾患において当初びまh性スリガラス陰影を呈し，経過と共に典型的な多発結節影に移行したことは極めて稀と考えられたため報告した.