肝細胞癌の診断におけるperfluorobutane造影超音波とGd-EOB-DTPA造影MRIの有用性に関する検討

摘要

目的：肝細胞癌の画像診断においてperfluorobutane造影超音波とGadolinium ethoxyben-zyldiethlenetriaminepentaacetic acid ； Gd-EOB-DTPA造影MRI (EOB造影MRI)の有用性について検討した.対象と方法：対象は当院にて肝結節に対して血管造影下CTを行い，同時期に造影超音波もしくはEOB造影MRIが施行された207例321結節である.方法は血管造影下CTをゴールド. スタンダードとして典型的肝細胞癌（199例313結節）と非典型的肝腫瘍（8例8結節）に分類し，造影超音波，EOB造影MRIの所見について検討を行った.なお非典型的肝腫瘍は腫瘍生検例を対象とし，病理組織所見についても検討を行った.結果：典型的肝細胞癌の検出は造影超音波後血管相で85.1%， EOB造影MRI肝細胞造影相で98.3%であつた.非典型的肝腫瘍はEOB造影MRI肝細胞造影相で全例が低信号で検出されたが，造影超音波後血管相では87.5%が等エコーであった.病理組織所見は全例が高分化型肝細胞癌であった.結論：EOB造影MRIは肝細胞癌の検出に有用な検査方法であり，特に肝細胞造影相で検出された非典型的肝腫瘍は高分化型肝細胞癌の可能性が高いことが示唆された.