新聞記事に見る人工知能やロボットの言説の変化

摘要

本稿は,日本の新聞記事の検討を通して人工知能およびロボットの表象の変遷を考察する.すなわち,人工知能やロボットのイメージがいかに社会的に形成されてきたかを経年的に検討する.技術は,その革新性や技術的特質から社会的インパクトが大きいと予想されるとき,社会的イメージを喚起する.例えばパーソナルコンピュー夕は,よく知られているようにメインフレームを中心とする政府や大企業に対抗するツール,つまり対抗文化の象徴的存在に位置付けられた.人工知能やロボットについても,社会的な「人工知能」像·「ロボット」像が想像されている.本稿では,マスメディアである新聞記事を参照しながら,人工知能やロボットに関する社会的認識の経年的変化を追った.