感情とAI

摘要

画像認識分野での進展を皮切りに深層学習が目覚ましい成果を上げたことで,人工知能(AI)が人の知能を超えるのではないかという考えや期待が広がっている.このょうなAI研究において,感情は知能とは異なる機能や存在として,人や生物と人工物を分かっものとして捉えられてきた.一方で認知科学や神経科学の分野では,感情は知能(いわゆる論理的な情報処理)と背反するものではなく,その一部であると捉えられており,感情に関わる知能では,身体的?社会的な情報を扱うことが重要だと考えられている.このょうな知能に関する考え方の中で,感情を理解できず感情をもたないAIが真に知能を獲得し,そして人の知能を超えることがあり得るのだろうか?