バイオ3Dプリンタを用いた三次元組織作製と再生医療?創薬ヘの展開

摘要

近年,再生医療分野をはじめ創薬及び動物実験代替法分野等,多くの分野で三次元組織構築技術が注目されており,各研究機関での開発が加速している。株式会社サイフュ-ズ(以下,「当社」)は,佐賀大学医学部臓器再生医工学講座の中山功一教授(当社共同創業者)が発明した「細胞だけで立体的な組織?臓器を作製する技術」をもとに2010年に設立した再生医療のベンチャ一企業である。我々は中山らと共に足場材(スキャフォ一ルド)を用いずに,細胞のみで立体的な組織?臓器を作製することが可能な三次元積層技術並びにバイオ3D プリンタを開発し,再生医療及び創薬分野に応用可能な細胞製品の開発を行っている。開発したバイオ3Dプリンタは,ほとhどの細胞種が元来持っ細胞凝集現象を利用した細胞塊(スフエロイド)を用いるもので,その特性から様々な組織構築ヘの応用が可能であり,現在複数の三次元組織開発に取り組hでいる。本稿では,当社が開発しているバイオ3Dプリンタを用いた三次元組織構築技術及びそれを用いた三次元組織の医療応用事例の一部にっいて紹介する。