真空圧延接合法により作製したクラッド材界面の接合部強度と微細組織

摘要

クラッド材は、機能材料としての利用や、中間継手としての利用など、さまざまな用途が考えられる。真空圧延接合法では、2枚以上の被接合材を真空中で熱間圧延して接合を行う。実際に、真空圧延接合法により作製されたA1/SUSクラツド材はLNG船の夕ンクス力ート部の中間継手に適用された実績があり、高い信頼性が得られている1)。この接合法の最大の利点は、被接合面の酸化が抑制されることにあり、比較的低い圧下率で接合が可能である。また、アルミニウムなどの強固な酸化皮膜が形成されるような材料においても、被接合面の酸化皮膜が破壊され新生面が露出するだけの変形を与えることによって接合は可能である。さらに、短時間で接合されるため、接合界面における金属間化合物の生成も抑制される。したがって、さまざまな材料の組み合わせの接合が可能となり、真空圧延接合法により作製された「各種クラッド材の接合部界面のミクロ組織、接合部のせh断強度」や、「引張強さに及ぼす接合条件の影響」、「接合部界面特性に及ぼす加熱処理の影響、接合部界面近傍の微細組織の観察」、「接合部界面の微細構造に及ぼす接合条件の影響」の研究が報告されている~(2)~5))。ここでは、純アルミニウム板と相手材に鋼、チタンおよび銅を用いて真空圧延接合法により作製した3種類のクラッド材の接合部引張強度及び接合部界面の微細組織について解説する。