わが国の原子力のこれから その4 核燃料サイクル開発の展開

摘要

軽水炉では天然のウランのうち、ウラン235が主に利用されるので、わが国の自主開発による濃縮技術をベースに高性能化と低価格化の技術開発を着実に進め、国内のウラン濃縮工場を増設することが前提となる。日本がウラン濃縮技術力を高め国際的ビジネスに積極的に関与していくことは、世界の核不拡散に専門的な見解を提供し、技術面から支援·協力することになる。軽水炉の運転中に生成されるプルトニウムはウランと同時に燃えるので通常の運転状態でも、約三分の一はプルトニウムにより発電されている。この時、原子炉内で燃焼が進むにつれてプルトニウムはより燃えにくい高次化したプルトニウム同位体やアクチニドに変質していくので、再処理して回収したプルトニウムは軽水炉で繰り返し使用することはできず、通常一回の利用に留まる。