ライフサイクル戦略の策定とその製品設計への展開を支援するCADシステムの開発（第7報）ライフサイクルCADを用いたライフサイクルシミュレーションモデルの作成支援手法

摘要

製品ライフサイクル設計(LC 設計)においては，製品の設計と並行して，その製品にどういった一生を辿らせるか，すなわち製品のライフサイクルを設計するプロセスが重要である．武田らの提案する設計プロセスでは，問題設定，解候補の導出，解候補の評価，決定のサイクルを繰り返し行うものとしている．本研究では，この設計プロセスのモデルに基づき，図1 に示すように，製品とそのライフサイクルを並行して設計し(解候補の導出)，逐次その評価(設計解の評価)を行いながら段階的に設計の詳細化を進めてゆくLC 設計のプロセスを想定する．このとき，解候補の導出には，リサイクル性設計や分解性設計といった既存のDesign for X(DfX)手法を用いるものとする．また，解候補の評価には，ライフサイクルシミュレーション(LCS)が提案されており，これを用いる．しかし，これらDfX による解候補の導出とLCS による評価を連携させ，設計と評価のループを円滑に回すための支援環境は十分ではない．本報では，前報までに提案したライフサイクルCAD(LCCAD) システムを利用して，LC 設計における解候補の導出と評価を円滑に行うための支援手法を提案する．その実現のために，LCCAD を用いたLCS モデルの作成支援手法を提案する．