日本のエネルギー－本誌創刊から40年目を迎えて思うこと

摘要

一九七三年に起きた第四次中東戦争をきっかけに原油価格が急騰した。アラブ諸国が石油戦略を発動して供給削減が始まったという記事が連日、新聞·テレビで流れた。オイルショックと呼ばれた。オイルショックでは物不足によるパニックが起きた。たとえば洗剤がどこの店頭からも姿を消してしまった。スーパーが朝、店を開けたら主婦が殺到する。それを記事にすると、翌日はもっとひどくなった。ガソリンはもちろh、セメントや鋼材などあらゆるものが値上がりした。今では信じ難いことだが、この時のオイルショックで新聞記者が頭を抱えた問題は、石油が日本にどのくらい輸入されていて、どのくらい備蓄されているのかというデータが、当時どこの関係省庁や業界に当たっても出てこなかったことだ。