「アラブの春」に揺さぶられる中東政治: 宗派間対立で戦争懸念も排除できず

摘要

イスラエルとの第四次に及ぶ中東戦争や、一九八〇年～八八年のイラン·イラク戦争、米軍がサダム·フセイン政権を打倒した二〇〇三年のイラク戦争など幾多の戦争に揺さぶられてきた中東地域は、サウジアラビアなどの大産油国を擁し、激震が走るたびに世界経済に影響を与えてきた。現在の中東は、二〇一七年六月のサウジやアラブ首長国連邦(UAE)など四か国によるカタールとの断交それとも関係しているサウジとイランのイスラム教宗派間対立の激化に象徴される国家間の軋轢と同時に、二〇一〇年末にチュニジアで始まった民主化要求運動「アラブの春」に伴い、国家は民衆という内部の不満によっても動揺する可能性をはらhでいる。