自動車産業における生産システムの革新：国際競争を乗り切る国内モノづくりのあり方

摘要

本稿は，日本IE協会の御厚意により，第33回日本IE文献賞［貢献賞］受賞論文「国際競争力を乗り切る国内モノづくりのあり方」を「IEレビュー」誌233号（2003年12月発行）(PP.6～11)から転載したものです。 デフレ不況と呼ばれて久しいなか，中国からの輸入が急増し，製造業の国内空洞化に対する不安が高まっている。 自動車業界周辺も例外ではなく，同業他社では中国で製造したスクーターを日本に輸入するなど，中国の脅威は確実に身近なものになってきている。 一方，中国は市場としては大変魅力的であり，トヨタも最近本格的な進出を果たしている。 さて本論では，国内生産における圧倒的競争力を確保し，自動車業界の「国内空洞化」を防ぐために我々は何をしなければならないかについて，私自身が常日頃から考えていること，および実践していることを述べてみたい。