遊星式かくはh脱泡機によるSiO_2－TiO_2－BaO系ゾルの調製

摘要

径方向に屈折率分布を有する「GRINレンズ（radial gradient index lens）は光学設計上高い収差補正能力を持つことが知られている．このgamma-GRINレンズの中で，レンズ媒質中での色収差がほとhど発生しないものを低分散分布GRINレンズと呼び，白色光源下において，従来の均質レンズと比較してレンズ枚数を約1／3に削減し，光学系の超小型化が可能であるそこで著者らは，SiO_2－TiO_2－BaO－K_20系り色収差がほとhど発生しない低分散分布gamma－GRINレンズの作製を検討し，屈折率差が0．018，投影解像度100本／mmの低分散分布gamma－GRINの作製を報告した．次に，分布付与溶媒の検討によるDELTA nの拡大検討を行った結果，メタノールとジ-iso-プロピルエーテルの混合溶液を用いたとき，DELTA nを0．022まで拡大することができた．しかし，これらの検討のバリウム量では，最大の濃度差を付与しても，0．04程度，又はそれ以上のDELTA n7をもったgamma-GRINレンズを作製することは困難で，小型で高性能の光学系に適合することはできなかった．そこで，gamma-GRINレンズの DELTA nを拡大することを目的とし，ゾル調製時のバリウム量を増量することによりバリウムの初期濃度を高くして，最終的に濃度差を大きくとることが可能となるSiO_2－TiO_2－BaO系のゾル調製方法を検討した．