WHDCとWWH-OBD－大型車の環境技術に関する世界統一基準 その2

摘要

WHDC活動を開始したころ，欧州の自動車メーカー技術者は危機感を持っていた。 認証試験に合格するように技術開発をしても，実使用状態では排出ガスが多く出ている，というような評判が立てば，これからの社会では自動車メーカー自体の存続が立ちゆかなくなる，という認識である。 これを防ぐために，より良い認証試験手順を作成して欲しいとのことであった。 日米欧の政府関係者は，この要請に応えるべく努力を重ねた。WHDC，WWH-OBDの活動に加わり討論を重ねる中で，欧米の技術者の論理性や科学的思考に啓発されることが多かった。 技術的な基準を定める作業の根幹には科学的思考がなければならない，ということを改めて認識させられた。 今後国土交通省を中心に，成立したgtrを日本国内に取り入れていくための検討を進める必要がある。 また1998年協定に最近中国，インドが加盟した。 これらの新興国が自国に取り入れやすいように，成立したgtrの修正を提案することも考えられる。 より一層良いものとなって世界に普及することを期待したい。最後に，WHDC，WWH-OBDの活動にあたり，ご助力を頂いた自動車工業会等，関係の方々，事務局として日本の窓口となり，その推進と多大な事務作業に尽力頂いた，自動車基準認証国際化研究センターしたい。