脚光を浴びる新たな太陽光パネルによる直接水素製造システム

摘要

今日製造されている水素の殆どは化石燃料をベースにしている。 これらのプロセスは、概してエネルギー多消費型であり、大量のCO{sub}2を発生させるので、そのコストは高くならざるを得ない。 また、炭化水素燃料は、有限であり、近未来に供給不足が生じ、水素社会での持続可能資源とはなり得ない。 さらに、原子力は、水の電気分解による水素製造への利用が可能であるが、コストがかかり、長期的な環境リスクを伴うものと考えられている。 水素の再生可能資源は、持続可能なエネルギー源を提供出来るように開発されねばならない。 本稿で紹介する英国のHydrogen Solar社は、クリーンな再生可能エネルギーによる水素製造を目的に、Julian Keableにより設立された会社である。 それは、太陽の光触媒反応により直接水素を製造するシステムである。 そのコアー技術であるTandem Cellの発明者であり、光電池でのナノテクノロジーの適用分野で世界の権威者である、スイスのローザンヌにあるスイス連邦工科大学の光電気化学科主任のGraetzei教授との出会がきっかけであった。