世界の石油輸送上のチヨークポイント②

摘要

前回から度々、チョークボイントの持つ重要性について触れたが、具体的には次の二つの要素が評価されると思う。それは、①狭隘性、封鎖の容易性②代替不可能性③沿岸諸国への影響である。 そして、チョークポイントの役割につ いては、三つの性格があると考えられる。第1に、地政学的な変化によって、重要度が変化す ることである。具体的には、冷戦時代には津軽海峡と対馬海峡の重要性が高まっていたが、冷戦後にはその重要性が低下したことがあげられ る。時のソ連海軍の太平洋艦隊が大幅な減勢 によって、チョークポイントの性格が変化した ことである。第2は、経済的地理的変化による ものである。例えば、イランや湾岸諸国にと って、ホルムズ海峡の海上輸送路が生命線と なっていることは、これまで述べたとおりであ る。また、中国にとってみれば、台湾海峡やル ソン海峡が重要であることが指摘できる。第3 は、環境的変化によるものである。具体的には、 1989年3月、エクソンバルディーズ号による原油流失事故後、大规模な生態系の破壊が生じた ことがある。このよてに、環境保全の必要から 海上交通の規制が生じる可能性がある。