パナソニックの 「スマートマルチ」

摘要

節電やエネルギーベストミックスの要望の高まり、電力·都市ガスの全面自由化の施行、また将来の電力·ガスのエネルギーコストの変動リスクから、状況に応じたエネルギー選択が可能な個別分散空調システムの重要性が高まっている。高い市場シェアを有する EHP の節電·省ランニングコスト対策として、冷媒系統が接続されていない EHP と GHP を同一空間に設置するハイブリッド空調が提案されていたが、この分離型ハイブリッドシステムは、冷媒系統が共通化されていないため、大空間において室内機を千鳥配置する場合を除いて、GHPとEHPの運転比率を任意にコントロールすることができないという課題があった。そこで、当社は、この分離型ハイブリッドの課題を克服した同一冷媒系統に GHP と EHP を有する世界初のハイブリッド空調システム「スマートマルチ（*1）（*2）」を東京ガス㈱、大阪ガス㈱、東邦ガス㈱（以下、都市ガス3社）と共同開発を行い、2016年4月に 30 馬力システムを発売した。今回、より幅広い用途·規模に提案しやすくするため 35 馬力、40 馬力のバリエーション拡充を図った。本稿では、スマートマルチの製品概要と特長について紹介する。