短期記憶課題の記銘時α波脳磁場振幅の変調

摘要

記憶過程は記銘、保持、想起で構成される。シーケンシャル短期記憶課題を遂行中の脳磁場を記録し、これまで「想起」時にα波帯域の律動振幅が抑制され、抑制の大きさが記憶成績と相関することを報告してきた。今回、さらに「記銘」時のα波帯域の律動振幅を解析したところ、正解する場合と不正解の場合とで、振幅に有意の差があることを見出した（n=10，p=0.038）。この結果は記銘段階ですでにその後の正解／不正解が予測できる可能性を示唆している。