HTS SQUIDを用いた非破壊検査技術の開発－金属配管へのSQUID NDEの適用

摘要

薄肉銅管に発生する深さ数10μmの切り欠き欠陥や，アルミ扁平管で問題となる直径0.5mm未満のサイズの穴状欠陥を検出することは，従来の非破壊検査技術では困難であった．本論文では，磁気センサとして最高感度をもつHTS SQUIDを用いた非破壊検査装置が，上記欠陥検出に関して従来技術よりも優れた検出能力をもつことを実証するため，金属配管検査装置を開発し，様々なサイズの欠陥を持つサンプルに適用して，その能力を明らかにした．銅管，およびアルミ扁平管の欠陥に関して，現状で欠陥の体積が10{sup}7μm{sup}3弱の微小欠陥の検出が可能であり，S/N向上に寄与するシステムノイズとリフトオフの低減，サンプルに印加する磁場もしくは電流の増加により，検出限界は10{sup}6μm{sup}3程度まで容易に改善可能であると推測される．