資源分野における技術者教育プログラムと日本技術者教育認定機構によるアクレディテーションシステム

摘要

現在,技術者資格問題と大学における技術者教育のアクレディテーション（Accreditation）問題が注目されている。 アメリカにはPE（Professional Engineer），カナダにはP.Eng.（Professional Engineer），イギリスにはCEng（Chartered Engineer），オーストラリアにはCPEng（Chartered Professional Engineer）と呼ばれる技術者資格が存在し，EU諸国，香港·シンガポール·タイなどのアジア諸国にも同様な資格が存在して，これらを相互に認証する動きが加速化している。1995年，大阪で開催されたAPEC（Asia Pacific Economic Cooperation）閣僚会議において，APEC発展のためには，域内での適切な技術移転が必須であるとして，技術者の域内での自由な移動を促進することを決議した。 これを受けて，オーストラリアが，1996年1月のAPEC人材養成WGでAPECエンジニア相互承認プロジェクトを提案し承認された。 各国の技術者資格制度の実態調査を行い，APECエンジニアを登録するためのモニタリング委員会を参加国·地域に設置し，この活動を調整するための国際的な調整委員会が設けられた。 これには，わが国では日本技術士会が関わっている。 APECエンジニアにある9分野--Civil，Structural，Geotechnical，Environmental，Mechanical，Electrical，Industrial，Mining，Chemical－のうち，当面「Civil」と「Structural」の分野を登録申請の対象としており，技術士（建設·水道部門など），一級建築士を対象にAPECエンジニア登録作業が始まった。