透明なPDMSを用いた可変凹凸表面における 濡れ性の評価と空気の挙動の解明

摘要

静的な表面粗さの違いによる濡れ性への効果が研究されており，表面における液滴の操作を 目指した表面粗さによる濡れ性の制御も試みられている.筆者らは表面粗さを変化させて動 的に濡れ性を変える試みとして，ピラーアレイ状に微細加工したSi基板表面にシリコン樹脂 (PDMS)ダイアフラムを接合したデバイスを作製し，内部の圧力により平坦状と凹凸状に表面 形状を変えることで可逆的に濡れ性が変化することを見いだした.凹凸時では凹部内が全面濡 れるWenzelモードを超える接触角であり，凹部内での空気の存在が示唆されたが，実際の空気 の存在や挙動については解明されていなかった.本研究では，透明なPDMSピラーアレイ構造を もつ可変凹凸デバイスを作製して，濡れ性を動的に変化させた際のデバイス裏面から凹部内の空 気の挙動を調べた.