リバースエンジニアリングを用いたコイルばねの新設計法

摘要

本論文では，リバースエンジニアリングの考え方をコイルばね設計に適用し，通常FEAの出力である圧縮形状を先に設計してから，その圧縮形状をその他の要求仕様と共に実現するフリー形状を逆に求めるという新しい設計アルゴリズムを提案した．本手法は，設計者のスキルや主観を設計過程から排除し，最適なばね形状を常に迅速に自動設計することを可能にするものである．本文中では一例を挙げて提案するアルゴリズムの妥当性を証明し，設計された新しいばね形状の特徴，有効性を明らかにした．ここで提案した手法は自動車用懸架ばねに関わらず，一般的なばね設計手法として幅広く応用することが可能である．本設計手法ならびに設計されたばね形状は，現在，国際特許出願中である．