CO_2フリー社会と経済成長を実現させるプロセス電化イノベーション

摘要

2015年12月，フランスで開催されたCOP21（国連気候変動枠組条約第21回締約国会議）において，2020年以降の温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」を採択した．パリ協定は，先進国·途上国の区別なく，温室効果ガス削減に向け自国で決定した目標を国連に提出し，目標達成に向けた取組を実施することなどを規定した初めての枠組みである．今世紀後半に温室効果ガスの排出量と吸収源による除去量を均衡させるために，地球の平均気温の上昇を2°Cより十分下方に抑えるとともに，1.5°Cに抑える努力を追求することとした．この傾向を先取りし，投資先に環境対策を求める投資家が増えている．投資家による企業の気候変動リスクを評価するための気候関連財務ディスクロージャータスクフォース（TCFD）も発足した．環境リスクの投資評価が確立したことによって企業間取引においてCO_2フリーを条件として提示する企業も出現している．世界の企業はこのような金融動向の流れを敏感に捉え，戦略的にCO_2削減による企業価値の向上に向けて取り組み始めた．