太陽光発電と風力発電の分担比の最適化

摘要

国内にある再生可能エネルギーは、安全性、セキュリティ、エネルギー自立、二酸化炭素の排出ゼロ、地域でエネルギーの地産地消、町づくりと地域の自立に寄与という特徴を持つことから注目されている。再生可能エネルギーのうち水力、地熱、バイオマスなどは変動を小さくできるが、太陽光発電と風力発電は変動する電源であり、将来、日本において大量に導入するとき、電力需要に対してどのような分担比でその発電設備を設置するのが最適かという問題が生じる。すでに2008年の電力需要データを利用して、日本における再生可能エネルギーによる電力供給をコンピュータシミュレーションによって検討し、電力需要と再生可能エネルギーの発電量から1年間の「バックアップ電力量＋余剰電力量＋電力貯蔵損失」という評価関数を最小にする太陽光と風力の発電量の比を評価するこころみを行っている。本報告は1999～2013年度の15年間の月別電力需要データと、太陽光発電と風力発電の月別発電量の変動に注目して、需要と供給のミスマッチを最小化する評価関数を定義して太陽光と風力の最適分担比をもとめる分析を行ったものである。