フィボナッチ数列構成による三次元太陽光発電モジュールの特性－1/3葉序2段構成疑似FPM

摘要

太陽光発電では、日射量を最大限利用することが重要であるが、日射量は太陽高度により左右され、太陽電池セル当りの発電量を最大とする従来の平面型パネルを用いた太陽光発電モジュールでは、太陽高度の低い朝夕には著しく日射量の利用が制限される。そこで、太陽電池価格の低減に合わせて太陽電池セル当たりの発電量を最大にする従来の平面型モジュール構成から、朝夕を含めて設置面積当たりの太陽光エネルギーを、より効率的に利用する構成が期待される。著者たちは先に植物の葉序を模したフイボナッチ数列（1，1，2，3，5，8，13…）に基づいた3次元太陽光発電モジュール（FPM：Fibonacci Number Photovoltaic Module）を提案した。計算機シミュレーションによって、3次元太陽光発電モジュール（FPM）では、段数の増加や1段あたりの高さを変化させることで、従来の平面型モジュールと比較して発電量が増大することが示された。本研究ではFPMの実際の発電特性を把握するため、単結晶シリコン太陽電池を用いた1/3葉序2段構成疑似FPMを製作し、その発電特性を明らかにした。