ロシア：国内旅行ブームは商機の苗床か

摘要

ルーブル安を背景に国内旅行が脚光を浴びている。ロシア人の旅行先が海外から国内にシフトしているのだ。国内各地で開催される国際スポーツイベントを契機に観光インフラの整備が進展。主要都市では観光関連サービスの需要増が見込まれる。2015年にロシアを訪れた外国人の数は3，135万人。訪日外国人数の約1.6倍に相当する。CIS諸国や欧州、中国といった近隣諸国からの訪問者が多い。外国人訪問者数（15年）でロシアは世界で第10位（第1位フランス、第2位米国、第3位スペイン、第16位日本）。訪口外国人の増加に加え、ロシア人が旅行先を海外から国内にシフトする動きが見られる。背景には、14 年12月以降の急速なルーブル安、主要旅行先だったトルコとの関係悪化、エジプトでのロシア旅客機墜落事故……などがある。国内の主な人気観光都市は、サンクトペテルブルク、ソチ、モスクワ、カザン、エカテリンブルクなど。国内に計26カ所の世界遺産を擁するロシアは、世界遺産の登録数では世界第9位だ。