2030年世界自動車産業の展望: COVID-19，「成長の源泉」，合従連衡

摘要

世界自動車産業の混迷が続いている．短期的には新型コロナウイルス（COVID-19）の影響が深刻だ．世界中でロックダウンが拡大．4月末時点の世界累計生産制約台数は，650万台に達する見込みだ．さらにCOVID-19感染拡大は今年5～8月にピークアウトを迎えると仮定すると，2020年新車需要は1,800万台以上の喪失となる．IHS Markitの最新予測によると，2020年世界ライトビークル（車両総重量6t未満）生産は前年比21%減7,000万台以下へ急落するリスクが高まっている．「ポストCOVID-19」は超低成長時代を迎える．2025～2030年世界ライトビークル生産市場の年率成長率は1%台へ収斂する．成熟市場がゼロ成長期を迎え，中国も成熟化，新興市場の変動リスクが高まる．さらにモビリティーサービスの台頭も新車需要にはマイナス要因となる．そのような状況下で，自動車メーカーは三つの「成長の源泉」に投資を集約するだろう．Sports Utility Vehicle（SUV）,新興市場の中でもインドとアフリカ，電動化だ．