食品機械の潤滑設計とリスク管理

摘要

食品工場というより食品業界はFSSC22000の拡大により，従来の加工工場でのリスク管理からサプライチェーン全域でのリスク管理に広がりを見せている。サプライチェーン各域では一般潤滑剤を管理しながら使い続けることも行われているが，混入リスクの低減としてはH1タイプの食品機械用潤滑剤が望ましいのは周知されている。とはいえ一般潤滑剤を使用している理由が，リスク認識の低さやコスト重視であるならモラルの問題といえるが，性能リスク上切り替えられないという切実な理由も含hでいる。本稿ではサプライチェーンでの拡大を視野に，一般工業用から食品機械用への潤滑剤使用を検討されている方々に食品機械用潤滑剤の成分制約から発生する一般潤滑剤との性能差と，それをいかに回避してトータルリスクを管理するかを提言したい。