長期的な留置に耐えうる動脈硬化症病変に対する新しいステントの開発：プラズマ技術による表面改質の先端応用

摘要

近年，医療の進歩はめざましく，その中でも，次世代を担う医療機器の開発，再生医療の推進は，現在は国家戦略として認識されている．2015年4月に発足した「日本医療研究開発機構（AMED）」は，政府が主導する成長戦略の目玉の一つであり，健康·医療分野での研究開発をさらに促進する目的で設立された．新戦略の具体的な施策は，（1）世界最高水準の医療の提供に資する医療分野の研究開発等に関する施策，（2）健康·医療に関する新産業創出および国際展開の促進等に関する施策，（3）健康·医療に関する先進的研究開発および新産業創出に関する教育の振興·人材の確保，（4）世界最先端の医療の実現のための医療·介護·健康に関するデジタル化に関する施策の四つに分けられている．日本が医療福祉先進国として世界をリードすることを目標に掲げている．特に医療機器開発に関する重点は強調されており，基礎研究を強化し，画期的なシーズを常に生み出し，その基礎研究を産業の力によって臨床現場へとつなぐことが重要となってくる．また，その臨床現場で見いだした課題を基礎研究に戻す，循環型研究開発にも重点が置かれてくる．