ブレイン·マシン·インターフェースに用いられる脳活動計測装置fNIRSについて

摘要

脳と機械をつなぐインターフェースであるブレイン·マシン·インターフェース（BMI）など，より簡単に脳活動を計測することが求められている。著者等も文部科学省の「脳科学研究推進プログラム」や総務省の「脳の仕組みを活かしたイノベーション創成型研究開発」などのBMIの研究開発に参画してきた。できるだけ簡単に脳活動を計測することを考える場合，対象となる利用者を健常な方，あるいは比較的，軽度な機能障害を持った方とするならば，脳活動計測の方式は，外科手術によりセンサを頭蓋内に置くといった侵襲方式ではなく，外科手術を必要としない非侵襲方式であることが望ましい。さらに，非侵襲方式の中でも，核磁気共鳴画像法（MRI）のように，シールドルーム内のような限られた場所で，センサを装備したガントリに，頭部を挿入することで，計測を行うようなものではなく，できるだけ一般の生活空間で使用できるように，計測場所の制限や計測時の拘束が少ないことが合わせて求められる。本稿では，これらの要求を満たす，脳活動計測装置として，機能的近赤外分光法（functional near-infrared spectroscopy：fNIRS）につい、て，高性能型と携帯型の2種類のタイプを紹介する。